骨粗鬆症

骨粗鬆症について

骨がスカスカになって弱くなり骨折しやすくなった病態で、加齢とともにその患者数は増えていきます。「年をとって背中が丸くなった」「背が低くなった」「腰が痛い」などの症状がみられます。閉経後の女性に多くみられますが、最近では若い方にも、運動不足や食事の偏りのために骨が弱くなる可能性が指摘されています。

骨折すると活動の大きな妨げとなり、高齢者は寝たきりや認知症の進行の誘因にもなります。

骨粗鬆症のわかる主な検査は?

検査の前にまず問診を行います。
当院では、X線を用いて、骨密度を測定する機器を導入しております。
結果を当日レポートとして患者様へお渡しすることが可能です。

骨粗鬆症チェック

  1. 背が縮んだように感じる。
  2. 背中や腰が曲がったように感じる。
  3. 背中や腰の痛みのために動作がぎこちない。
  4. 腰が痛いが異常がみつからない。

上記のようなことがある場合、骨粗鬆症の可能性があります。

予防は?

日頃のちょっとした心がけで予防ができます。
食事、運動、生活境境に気をつけることで、骨量の減少を食い止めたり骨折を避けたりすることができます。

骨を丈夫にするには、骨の材料となるカルシウムの十分な摂取も大切ですが、他にもいくつかポイントがあります。
毎日のコツコツ積み重ねで予防しましょう。

食事

カルシウムを多く含む食品の摂取を心がけましょう。ビタミンDやビタミンK、たんぱく質の摂取も大事です。
加工食品を多くとるとリンの量が多くなり、カルシウムの吸収を妨げます。
塩分やアルコールのとり過ぎは尿と一緒にカルシウムが出てしまい逆効果となります。効果的に摂取しましょう。

運動

すでに骨粗鬆症をおこしている高齢の方は、散歩や買い物など、骨に負担の少ないものを行いましょう。
比較的若い方は、スポーツのやり過ぎによる障害に注意すれば、どのような運動でも骨量を増加させるには良いようです。

日光浴

骨に大切なビタミンDは、食べ物からとるばかりでなく自分のからだ(皮ふ)でつくることもできます。私たちの皮下脂肪にはビタミンDのもとになる成分が含まれていて、日光にあたるとビタミンDに変化します。夏なら木陰で短時間、日差しが弱い場合は20~30分程度日光を浴びれば十分ですから、散歩などはまさに一石二鳥です。

測定装置

骨密度測定装置DXA(GE製:PRODIGY FUGA-C)

当院が導入している骨密度測定装置では骨粗鬆症の検査が可能です。
低被ばく・短い検査時間で、患者さんにやさしい検査を提供します。
※1回の検査時間は概ね3分-4分程度です。
※腰椎・大腿骨近位部の測定時の入射線量は、通常の胸部一般レントゲンの約1/6程度です。
(骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインDXAでの測定が推奨されています。)

骨粗しょう症の予防と治療の必要性

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気です。 骨粗しょう症にかかる人の割合は年齢とともに増加します。このため、高齢化にともなって、患者数はさらに増加することが予想され、男女比は約1対3で、女性が男性の約3倍です。80歳代では女性のほぼ半数、男性の2~3割が骨粗しょう症にかかっていると思われます。
骨粗しょう症が原因となって発生する骨折のうち、もっとも大きなものが足の付け根の骨折ですが、この発生数はまだ増加傾向が続いています。

骨粗しょう症によって骨強度が低下すると骨折が起きやすくなります。骨折の場所としては、椎体(背骨の中でも特に「柱」となる部分大腿骨近位部(太ももの付け根)、前腕骨遠位部(手首)、上腕骨近位部(腕の付け根)などです。

とくに大腿骨近位部骨折や椎体骨折は、生活の質(QOL)や日常の活動性(ADL)を低下させます。 転倒・骨折は要介護(寝たきり)となる原因の第3位です。

骨粗しょう症になりやすいひと

【続発性骨粗しょう症】の原因を持っていることは、それ自体が骨粗しょう症のなりやすさ(危険因子)につながることはもちろんですが、それらがなくても、男女とも50歳以上で、低体重、骨折の既往、過度のアルコールの摂取(日本酒換算で1日2合以上が目安)、喫煙、大腿骨近位部骨折の家族歴(両親のいずれか)、運動不足、食事の偏り(過度のダイエットを含む)などは、骨粗しょう症の危険因子となります。
どれかに当てはまる場合は、生活習慣を改善し、骨の検査も積極的に受けるようにしましょう。

年齢ごとの予防のポイント

骨粗しょう症の予防の最終的な目的は、骨粗しょう症による骨折を防ぐことを通して、日常の活動性(ADL)並びに生活の質(QOL)の低下を防止することです。
骨粗しょう症による骨折が心配となるのは中高年ですが、この時期により高い骨量を得るためのポイントは、若年期により高い「最大骨量」を獲得しておくことと、中高年いなってからは骨量減少量を最小限にとどめる事です。

(若年層:骨粗しょう症の発生を予防)

最大骨量や骨量減少量は様々な環境因子・生活習慣因子と遺伝・身体的因子によって決定されます。
これらの因子を把握して、日常生活で改善できることにまず取り組むことが大事です。

(中高年:早期発見と治療)

40歳以降、特に閉経後の女性では、数年に一度の骨量測定を行うことによって骨粗しょう症を早期発見し、早期治療に結びつけることが勧められます。

(高齢者:骨折を防いで日常生活の活動性を上げる)

骨粗しょう症が発症していることが判明した場合には、骨折という合併症が発生しないように薬物療法や転倒・転落予防の対策を立てることが重要になります。

40代から意識し、日常的に食事と運動に気を付け、定期的に骨密度の検査を受ける事が大切です。