経鼻内視鏡の特徴
【1】吐き気が少ない
内視鏡を行う方法として、口から行う方法と鼻から行う方法の2つあります。
口から行う場合咽頭反射(いんとうはんしゃ)という反射がでてしまうので、吐き気が誘発されやすくなります。
一方、鼻から行う経鼻内視鏡であれば舌の根元に触れないので、ほとんど吐き気なく検査を行うことができます。
【2】検査中に話ができる
経鼻内視鏡であれば口を塞ぐことがないため、検査中に話をすることが可能です。
医師とやり取りしながら検査を進めることができるので、安心して受診できます。
【3】体にやさしい
内視鏡が食道に入る時は心拍数と血圧が上昇、その一方で酸素濃度が下がる傾向にあります。
酸素濃度が下がると心拍数が上がった心臓ではどんどん酸素を必要とするのに、酸素が足りないという状態が起こる可能性があります。
口からの内視鏡検査と鼻からの内視鏡検査を比較すると、検査中の心拍数と血圧・酸素濃度は経鼻内視鏡の方が体に負担が少ないことが分かっています。
【4】30~60分で日常の生活に戻れる
鼻からの内視鏡検査の場合、鼻腔(びくう)への局部麻酔のため、麻酔から覚めるのも早く、検査終了後30分~60分で日常生活へ復帰できます。
ちなみに通常の口からの場合、1~2時間は食事ができません。 原則、注射を行いませんので体の状態が安定すれば運転も可能です。
検査の進め方
1.問診
危険を避けるための事前チェックです。
2. 消泡剤を飲みます
胃の中の泡を取りのぞき、胃の壁をきれいにするために、消泡剤 ( やや苦目の白い液体です ) を飲みます。
3. 鼻腔に局所血管収縮剤をスプレーします
鼻腔の血管を収縮させます。出血しにくくするとともに、鼻のとおりもよくするために行います。 スプレーは風がシュッと入るような感じで、ほとんど痛みはありません。
4. 鼻腔に麻酔薬を注入、局所麻酔を行います
小さな注射器型の注入器で注入するタイプとスプレー式のタイプがあり、病院によって異なります。
スプレー式のタイプは、5分ほど間隔をあけて2回行います。局所麻酔ですから眠くなりません。
5. 麻酔薬を塗ったチューブを挿入
※この処置は行わないこともあります。
通り道 ( 中鼻道など ) がもともと狭い場合や、花粉症などでむくんでいる時、 細くてやわらかいチューブにゼリー状の麻酔薬を塗り、鼻腔に挿入して局所麻酔を行います。
鼻の穴の痛みが抑えられ、内視鏡の通りがスムーズになります。チューブは内視鏡と同じ細さです。
6. 鼻から内視鏡を通します
前処置を行った側から内視鏡を挿入します。
この時、違和感はあるものの、鼻からの通り道 (中鼻道など) に痛みを感じることはほとんどありません。
7. 胃の中を見ます
食道、胃、十二指腸の順に観察していきます。
モニターを見て、自分の目でもその様子を確かめることができます。
口は自由になっていますから、先生に質問もできます。
8. 検査が終わったら
眠くなる麻酔は使わないので、すぐに帰れます。
約30分~60分で水も飲めますし、食事もできます。
原則、注射を行わないので、運転もできます。